パンやさん物語(3)
昭和50年代は小海駅前通りはすごい元気で当店は裏通りだったので駅前通りに店を出すのが夢でしたが、その当時の駅通りは坪100万円もして私には高嶺の花でした。
昭和56年頃から駅通りの近代化の話が持ち上がり、道路の両側に歩道を作るので、その為に店舗が無くなる人達を中心に駅前にショッピングセンターを作る事になり、最初に手を挙げた人は28店舗ありました。国の高度化資金を借りる事になり、1社で2店舗を持つ事はダメだとか、色々な理由で最後に残ったのは8店舗でした。
多くの皆さんに協力していただき、また、仲間と夜遅くまで県に提出する計画書(60頁以上あった)を作成して、国の高度化資金を借りて初代理事長 保科 勇 事務局長 井出甲子郎で昭和62年12月12日に小海駅前ショッピングセンター アルルはオープンしました。馬流にパロもオープンしており、お互いに切磋琢磨して、イベント、売り出しなども活発で多くのお客さんに喜ばれて、小海町も活気に満ちておりました。当店もまだ、焼きたてのパンの店が少なかった事もあり、多くのお客様に支持されて、毎日が忙しく充実していました。
仲間8人で夢を持ってオープンしたアルルも最初からのメンバーは衣料のこだいらと当店の2店になってしまい、今は小海薬局、花のリーベ、月華の5店舗で地域のお客様のお役にたてるように日々努力しております。
ナナーズさんの撤退の後、駅前通りを含めて土村に食料品店が1店舗も無くなってしまい当店もお客さんから「卵を置いてくれないかね」「牛乳も」「豆腐も」と言われ、地域のお客さんのために、なんとかしなければの思いだけでアルル店を「人情横丁」としてオープンしました。いろんな人にお願いして今自分に出来る事で人が喜ぶコミュニケーションのある、人情と絆を大切にした場を作りたいと思っています。佐久の大型店舗には品揃え、価格面等でとても太刀打ちは出来ませんが、お客さんの心に寄り添って喜んでいただけるように一歩一歩前進していきます。
まだまだ、未熟で至らないところばかりですが、皆様のご協力とお知恵をお願いしながら頑張っています。